こんにちは!
「太平洋3DプリンターLab」を運営している、藤川太平洋です😊
今回は3Dプリンターで使われる代表的な素材である
PETG(ペットジー)
について解説していきます!
PETGは、PLAよりもねばりがあり、熱や水にも比較的強いフィラメントです。
ケース、収納用品、固定用のパーツ、屋内外で使う小物など、実用的なものを作るときに活用できます。
その一方で、
- 糸引きが出やすい
- 印刷面へ強くくっつきすぎることがある
- 湿気のえいきょうを受けやすい
- 表面にキズがつきやすい
といった、PETGならではの注意点もあります。
今回は、PETGの特徴やメリット、苦手なこと、向いている使い道などを、はじめて使う方にもわかりやすく紹介していきます!🙌
PETGは、丈夫さと扱いやすさをあわせ持つ素材!
PETGは、ペットボトルなどで知られるPETに近い仲間の素材です。
3Dプリンターで使いやすくなるように性質が調整されており、フィラメントとして広く販売されています。
- PLAでは熱や衝撃が少し不安
- 室内用だけでなく、実用品にも使いたい
というときに、PETGは有力な候補になります😊
PETGは硬いけれど、割れにくい
PETGで作ったものは、TPUのように大きく曲がるほど柔らかくはありません。
基本的には、しっかりとした硬さのある素材です。
ただし、PLAとくらべると少しねばりがあり、強い力を受けたときに、すぐパキッと割れにくい傾向があります。
たとえば、
- はめ込み式のパーツ
- 少し力がかかる固定具
- 落とすことがあるケース
- 何度か着け外しする部品
などに使いやすい素材です。
PLAは硬くて形を保ちやすい一方、細い部分や強い衝撃では割れることがあります。
PETGは、少ししなることで力をにがしやすいため、実用品との相性がよい素材だといえます。
PETGのメリット
衝撃を受けても割れにくい
PETGの大きなメリットは、ねばりと丈夫さです。
強い力を受けたときに、すぐ折れたり欠けたりせず、少し変形して力をにがせることがあります。
そのため、
- 工具や機器のホルダー
- スマートフォンや小型機器のスタンド
- 収納用のパーツ
- フック
- 固定具
- カバー
- ケース
などに活用できます。
ただし、PETGで作れば何でも壊れなくなるわけではありません。
造形物の向き、厚さ、内部の密度、形によって、強さは大きく変わります。
特に、重いものを支える部品では、実際に試して安全をたしかめることが大切です。
PLAより熱に強い傾向がある
PETGは、一般的なPLAよりも熱に強い傾向があります。
PLAでは変形が心配な、少し温度が高くなる場所でも使いやすいことがあります。
たとえば、
- 電子機器の近くで使うケース
- 日が当たりやすい場所の小物
- 温度が上がりやすい室内の部品
- 動作中に少し熱を持つ機器の周辺
などです。
ただし、
「PETGなら高温でも絶対に大丈夫!」
というわけではありません。
真夏の車内や、暖房器具の近く、高温になる機械の内部などでは、変形するおそれがあります。
耐熱性が必要な場合は、使う商品の情報を確認し、実際の温度に合っているか考えましょう。
水まわりの小物にも使いやすい
PETGは、水のえいきょうを受けにくい素材として使われることがあります。
そのため、
- 洗面所の小物
- 植木鉢まわりの部品
- 水がかかる場所のホルダー
- 屋外で使うカバー
- 容器のふた
- 水受け
などにも活用できます。
ただし、3Dプリンターで作ったものには、細かな積み重ねのすき間があります。
見た目ではふさがっていても、水が少しずつしみ出す場合があります。
水をためる容器や、水もれしてはいけない部品を作る場合は、
- 壁を厚くする
- 層の数を増やす
- すき間ができにくい設定にする
- 実際に水を入れて確認する
といった対策が必要です。
屋外でも使いやすい場合がある
PETGは、PLAよりも屋外で使いやすい素材として選ばれることがあります。
雨や温度の変化を受ける場所でも、PLAより長く使える場合があります。
たとえば、
- 植木鉢の部品
- 屋外用の名札
- センサーのカバー
- ケーブルをまとめるパーツ
- 雨よけ
- 園芸用品
などです。
ただし、長いあいだ強い日差しを受ける場所では、少しずつ色あせたり、弱くなったりする可能性があります。
屋外で長期間使うことを最優先にするなら、ASAなど、より天候に強い素材も候補になります。
層どうしがしっかりつながりやすい
FDM方式の3Dプリンターは、材料を一層ずつ積み重ねて形を作ります。
そのため、層と層のつながりが弱いと、横から力がかかったときに割れることがあります。
PETGは、うまく印刷できれば層どうしがしっかりつながりやすい素材です。
これにより、造形物全体にねばりを持たせやすくなります。
固定具やケースなど、ある程度の力がかかるものでは、この特徴が役立ちます。
透明感のある色も楽しめる
PETGには、半透明や透明感のある商品が多くあります。
完全なガラスのように透明になるわけではありませんが、
- 光を通すカバー
- ランプシェード
- 中が少し見えるケース
- 装飾用のパーツ
- 半透明の容器
などに使えます。
同じ形でも、半透明のPETGを使うと、PLAとはちがった見た目になります✨
光の当たり方や、壁の厚さによって見え方が変わるため、デザインを工夫する楽しさもあります。
PETGのデメリット
PETGは丈夫で使いやすい素材ですが、印刷では少しクセがあります。
PLAとまったく同じ感覚で使うと、思ったように仕上がらないことがあります。
糸引きが出やすい
PETGでよく起こる問題のひとつが、糸引きです。
ノズルが別の場所へ動くときに、細い糸のような材料が残ることがあります。
造形物のすき間に細い糸がたくさんできると、
「クモの巣みたいになっている……!」
という状態になります😇
糸引きが増える原因には、
- フィラメントが湿っている
- ノズルの温度が高すぎる
- 移動や引き戻しの設定が合っていない
- 印刷速度が合っていない
などがあります。
PETGを使うときは、まずフィラメントが乾いているか確認し、そのうえで温度や設定を少しずつ見直しましょう。
印刷面へ強くくっつきすぎることがある
PETGは、プリンターのプレートへ強くくっつくことがあります。
一見すると、
「しっかりくっつくなら良いことでは?」
と思いますよね。
たしかに、印刷中にはがれにくいことはメリットです。
しかし、強くくっつきすぎると、完成後に造形物を外せなくなることがあります。
無理やりはがすと、
- プレートの表面が傷つく
- 表面のシートがはがれる
- 造形物の底が欠ける
といったこともあります。
使っているプレートによっては、接着剤などを薄くぬり、はがしやすくするための層として使うことがあります。
接着剤なのに、くっつけるためではなく、はがしやすくするために使う。
はじめて知ったときは、
「どっちなんだ!?」
と思いました😂
プレートごとに使い方がちがうため、プリンターやプレートの説明を確認しましょう。
表面の荒れが出やすい
PETGは、少しねばりのある素材です。
そのため、ノズルのまわりに材料がついたり、造形物の表面へ小さなかたまりが残ったりすることがあります。
特に、
- 細かな文字
- 小さな突起
- 何度も移動する形
- 多くのパーツを同時に印刷する場合
では、表面が荒れやすくなることがあります。
PLAとくらべると、細かな見た目をそのままきれいに出すには、少し調整が必要です。
サポートが外しにくいことがある
PETGは層どうしが強くつながりやすいため、サポート材まで強くくっつくことがあります。
サポートを外そうとしても、
- 本体と一緒にはがれる
- 表面が荒れる
- 細かな部分に残る
- 工具を使っても取りにくい
といったことがあります。
PETGで印刷するときは、
- サポートが少なくなる向きにする
- 張り出しを減らす
- パーツを分けて印刷する
- サポートとのすき間を調整する
などの工夫が役立ちます。
表面にキズがつきやすいことがある
PETGは丈夫ですが、表面がいつまでもきれいなままとは限りません。
商品によっては、こすれたあとや細かなキズが目立ちやすいことがあります。
特に、光沢のある黒や濃い色では、表面のキズが見えやすい場合があります。
見た目を重視するものでは、
- マット調の商品を選ぶ
- 明るい色を選ぶ
- 表面を加工する
- 目立たない向きで使う
といった工夫も考えられます。
PETGでは何を作れるの?
PETGは、丈夫さやねばりを活かした実用品に向いています。
代表的な使い道を見ていきましょう。
ケースやカバー
PETGは、機器を守るケースやカバーに使いやすい素材です。
たとえば、
- 電子機器のケース
- リモコンのカバー
- センサーのケース
- 電池ボックス
- 配線を守るカバー
- 工具の保護部品
などを作れます。
PLAよりも衝撃に強く、少しねばりがあるため、着け外しをする部品にも使いやすいです。
ただし、熱を持つ機器のケースでは、内部の温度や空気の流れも考える必要があります。
収納用品や整理用の部品
PETGでは、
- 工具ホルダー
- ケーブルホルダー
- 引き出しの仕切り
- 棚へ取りつけるフック
- 小物入れ
- 壁かけ用のパーツ
なども作れます。
ある程度の力がかかる場所では、PLAより安心して使えることがあります。
ただし、重いものを支える場合は、ネジの位置や壁の厚さも重要です。
材料だけにたよらず、形そのものを丈夫にすることも大切です。
固定具や取りつけ用のパーツ
PETGは、部品を取りつけたり、位置を固定したりするものにも向いています。
たとえば、
- クランプ
- ブラケット
- スペーサー
- 留め具
- 配管やケーブルの固定部品
- カメラやセンサーの台
などです。
少ししなりながら力を受けられるため、硬くて割れやすい素材より使いやすい場合があります。
ただし、安全にかかわる部品や、大きな力がかかる部品には、十分な確認なしで使わないようにしましょう。
水まわりや園芸用品
PETGは、水がかかる場所の小物にも使いやすい素材です。
たとえば、
- 植木鉢の受け
- ホースの案内パーツ
- じょうろの部品
- 洗面所のフック
- 水切り用の台
- スポンジホルダー
などです。
ただし、長いあいだ水にふれる場合や、水圧がかかる場合は、水もれや劣化が起きないか確認しましょう。
透明感を活かした小物
半透明のPETGを使うと、
- ランプのカバー
- 光を通す飾り
- 中が見える収納ケース
- 表示灯のカバー
- 色つきの窓パーツ
などを作れます。
壁を薄くすると光を通しやすくなり、厚くすると色が濃く見えることがあります。
照明と組みあわせると、PETGならではの見た目を楽しめます😊
PETGを印刷するときのポイント
PETGの印刷設定は、メーカーや商品によって変わります。
まずは、商品に書かれている推奨設定や、プリンターに用意された専用の設定を使いましょう。
特に確認したい項目は、次のとおりです。
- ノズル温度
- プレート温度
- 印刷速度
- 冷却ファン
- フィラメントを引き戻す設定
- 使用するプレートの種類
PETGは、PLAより高い温度で印刷する商品が多くあります。
ただし、温度を上げすぎると糸引きが増えたり、表面が荒れたりすることがあります。
逆に、温度が低すぎると、層どうしがうまくつながらないことがあります。
最初から大きく設定を変えるのではなく、
メーカーの設定を使う → 問題を確認する → 少しずつ直す
という順番がおすすめです。
一度に温度、速度、冷却をすべて変えると、何がよくなったのかわからなくなります。
急がず、ひとつずつ試していきましょう。
PETGも湿気対策が必要!
PETGは、空気中の水分を吸う素材です。
湿気を吸ったPETGを使うと、
- 糸引きが増える
- 表面がざらつく
- 小さな穴ができる
- ノズルから出る量が安定しない
- 印刷中にパチパチと音がする
- 層どうしのつながりが弱くなる
といった問題が起こることがあります。
PETGの印刷が急にうまくいかなくなった場合、設定だけでなく、フィラメントの湿気も疑ってみましょう。
開封後は、
- 密閉袋へ入れる
- 乾燥剤といっしょに保管する
- 密閉ケースを使う
- 必要に応じて乾燥機を使う
といった方法がおすすめです。
見た目では乾いているように見えても、中に水分をふくんでいることがあります。
使わないときは、そのまま出しっぱなしにせず、できるだけ湿気をさけて保管しましょう。
PETGを買うときに確認したいこと
PETGを買う前には、次の点を確認しましょう。
- プリンターがPETGに対応しているか
- フィラメントの太さが合っているか
- 推奨されるノズル温度
- 推奨されるプレート温度
- 使うプレートとの相性
- 欲しい色や透明感
- 屋内用か、屋外用か
- 作りたいものに必要な丈夫さ
家庭用3Dプリンターでは、直径1.75mmのPETGが広く使われています。
ただし、機種によって対応する温度や素材は変わるため、買う前に確認が必要です。
また、PETGには、
- 高速印刷向け
- 透明感を重視したもの
- マット調
- 強さを高めたもの
- カーボンなどを加えたもの
などがあります。
特殊な材料を加えたPETGでは、通常のノズルがすり減ることもあります。
はじめて使う場合は、まず標準的なPETGから試すとわかりやすいと思います。
PETGは食べ物に使える?
PETGは、食品用の容器などにも使われる材料の仲間として知られています。
そのため、
「PETGなら、食器やコップも作れるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、3Dプリンター用のPETGが、すべて食品にふれても安全とは限りません。
商品には、色をつける材料や、印刷しやすくするための成分が加えられている場合があります。
また、3Dプリンターで作った表面には細かなすき間があり、よごれや細菌が残りやすいことがあります。
さらに、プリンターのノズルや内部に、別の材料が残っている可能性もあります。
そのため、食品に直接ふれるものを作る場合は、
- 商品が食品にふれる用途へ対応しているか
- ノズルやプリンターが清潔か
- 表面を衛生的に保てるか
- 熱い食べ物や飲み物に使わないか
などを十分に確認する必要があります。
素材名だけを見て、安全だと判断しないようにしましょう。
PETGが向いている人
PETGは、次のような方に向いています。
- PLAより丈夫なものを作りたい
- ケースやカバーを作りたい
- 固定具やホルダーを作りたい
- 少し熱がかかる場所で使いたい
- 水まわりの小物を作りたい
- 屋外で使う部品を試したい
- 半透明の造形物を作りたい
まとめ:PETGは丈夫さと扱いやすさのバランスがよい素材!
PETGは、PLAよりもねばりがあり、熱や水にも比較的強いフィラメントです。
主な特徴をまとめると、
- 衝撃を受けても割れにくい
- PLAより熱に強い傾向がある
- 水まわりの小物にも使いやすい
- 層どうしがしっかりつながりやすい
- ケースや固定具などの実用品に向いている
- 半透明の商品も多い
- 糸引きが出やすい
- プレートへ強くつきすぎることがある
- 湿気のえいきょうを受けやすい
- サポートが外しにくい場合がある
という素材です。
PLAより少し印刷にコツは必要ですが、うまく使えるようになると、作れるものの幅が大きく広がります。
最後に
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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